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表参道の書店にて

 

表参道の駅を降りたら、谷内六郎さんの壁画が目に入り、あれっと思いました。

最近、何度か通っているはずの交差点なのに、今まで気づかなかったなんて。

そしてその壁画の建物、面をのぞいてみると、「山陽堂書店」です。

 

あ、知っている、と思ったのは、YouTubeチャンネル「東京の本屋さん」で見たことがあったからです。

冷たい雨が降る寒い日でしたが、入り口は開け放っていて、一段下がった一階と、中二階、そして二階。店内は狭いけれど、雑然としたところのない、整った佇まいです。

あまり時間がなかったので、一階を眺めて気になった2冊のうちの1冊を選びました。レジ前の缶バッジ(能登半島地震の支援)とお店のオリジナルポストカードをえいやと一緒に購入しました。

安西水丸さんのギャラリー展示も見たかったけれど、ゆっくりみる時間はなかったので、また今度。

 

そして翌日、また同じ交差点にさしかかると、、、、

あれ?六郎さんの壁画がない!(代わりに派手なブランドの看板がある)

 

思わずお店で尋ねました。「昨日、六郎さんの壁画を見たんですが、今日は広告看板に隠れてしまって見えないんです」

「そうなの、いつもは広告を出してもらうことで、お店を支えてもらってるというワケもあるんですよ。昨日は創立記念日だったのでね、壁画をお見せしようと広告を外してもらっていたんです」

「それなら、昨日、壁画を見られたことがラッキーだったんですね」

 

山陽堂書店ホームページに、六郎さんの壁画ができるまでの歴史を見ることができます。

道路(交差点)のために、ビルを削り、縁あって壁画ができ、それも2大目の壁画となり、、、

 

長い年月、一等地に店を構え、壁面をファッショナブルな街の一部となる看板に貸し出しながら、すっくとそこに立っています。

歴史ある書店の逞しい姿を見た気がして、胸がアツくなりました。